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はみ出しナースの歩歩是道場~おふくの日々~

おふくの日々のできごとや、はみ出しナースのつぶやきを綴っています。ときどき、看板むすめ:さっちゃんの写真も掲載中。

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介護新着3件

気持ちと<記憶>の不思議について

自費ホームヘルプの利用者だった方から預かっているアマリリスが、今年も見事に咲きました。

(事情で施設入所を選択したときに「あなたに預ける」と言われたもの)

そしてなんと、おふくの家の前庭にも同じ種類のアマリリスが植えられていたことがわかり、不思議なご縁を感じたことでした。

この数年間の様々な出会いとお別れがシェアホーム開所につながっているのですが、ある利用者さんとの間におこった最近のできごとをふりかえりつつ、人の気持ちと記憶の不思議について考えてみました。

ひとり暮らしのその方とは、もう5年以上のお付き合い。

何かあったときのためにと家の鍵も預かって、お金の管理も任されていました。

介護保険の利用はしたくないという意向を尊重してきましたが、昨年くらいから日付や曜日がわからなくなることが増えてきたため、公的支援も備えておこうと話し合いを重ねました。

私が信頼する事業所の訪問ヘルパーさんにつなぐことができましたが、夜に活動することが増えて、昼間うとうとしていることが多くなり、訪問しても応答なければ、私が合鍵を使って入るようになっていました。

ある日のこと、合鍵を使って入った私を見たその方は、「あなた誰?」「なんで鍵を持っているの?」と言ったのでした。

どんなに説明しても、「あなたはヨナゴさんじゃない」と言うのです。

ヨナゴという人物に関する記憶は確かで、信頼も変わっていない様子なのですが、目の前にいる人物がヨナゴだとは認めてくれないのでした。

困り果てて「ヨナゴさんに頼まれて来た」なんていう芝居もうってみたのですが、「ヨナゴさんが私に黙ってそんなことをするはずない!」「警察を呼ぶ!」と言われた段階で、丁重にお詫びを伝えて家を出ました。

さすがの私もショックに打ちひしがれつつ車に乗ろうとしていた時、携帯に電話がかかってきました。

たいへんなことが起きている、怖いから助けて!という内容でした。

引き返したときには、「あなた誰?」とは言われませんでした。

 

その後も「警察を呼ぶ」と言われる事態になったことがあるし、ヘルパーさんの顔がわからなくなることもあるようです。

でも、記憶の中のヨナゴやヘルパーさんへの信頼は変わっていないようなのです。

見えている情報が脳の中に結ぶ像と、記憶がつながらないのはどういうことなのでしょう。

記憶の中の像を取り出せないのか、像そのものが失われてしまったのか。

つながっているように思えるときもあります。

まるで出会ったころと同じように、電話がかかってくることもあります。

もしかしたら、新たな「ヨナゴ」や「ヘルパーさん」に出会い、新たな関係ができてきているのかもしれません。

この数ヵ月、びっくりしたり慌てたりすることもたびたびで、毎回ドキドキです。

どこまでも、今ここの本人の気持ちを尊重して一緒の時間を過ごそうとしていることが伝わるといいのですが。

 

「あなた誰?」と言われた原因を考えてみました。

本人の意向とはいえ、私一人だけが関わり続けることへの疑念や、本人にとって本当にそれでいいのかという迷いや不安、私自身の気持ちの揺らぎが影響してしまったのかもしれません。

老いに適応しようと奮闘している人から、自分の覚悟のなさ、情けなさを教わりました。

 

「これもできなくなった」「あれもわからなくなった」「もう情けなくて悲しくて」そんな嘆きに反応して、ついつい私自身が楽になろうとしていました。

 

「一人を守り続けてきた家の中に他人を入れるのは嫌」「でも仕方ないのだ」と、老いていく自分と折り合いをつけての決意への敬意が足りなかった気がします。

目で見えている像と、記憶の中の像を接続しないことで尊厳を守ろうとされたのでしょう。

 

いっぽうで、目の前の人たちを受け入れたら今の暮らしを維持できるという理性は、目の前の人たちへの新たな信頼から生まれたのかもしれません。

『構想』と『実行』の統一を目指す

お金の話は苦手です。おこづかい帳も家計簿も3日と続かないし、何かのために貯蓄するということができない性分です。あると使ってしまう…(笑)

株価がどうのとか、景気がどうのとか、そういう話になると、脳が止まってしまいます。

このコロナ禍にあって馴染めなかった言葉のひとつが、「経済を回す」でした。

“外出自粛”で飲食や観光などが大変、ということは理解できます。「なんとしても経済を回す」ため、〇〇キャンペーンに税金を投入、市民が外出してお金を使う、すると「経済を回す」ことになる…?

〈経済〉を辞書でひいてみると、『国をおさめ、民をすくうこと』『社会生活を営むのに必要な売買・消費・生産などの活動』とありました。民が行う「売買・消費・生産などの活動」に〇〇キャンペーンすると、経済を回していることになる…?

そんなもやもや感を解決してくれたのは、1月に放送された「100分ⅾe名著~資本論~」でした。

私が「何としても経済を回す」という言葉に違和感を抱いたのは、『人間のために回すのではなく、回すこと自体が自己目的化している』からなのだとわかりました。

コロナ後も変わることなく環境を破壊し、地球を掘りつくし、便利で売れる商品を生産・消費して、経済を回し続けていいのでしょうか。

「商品」に振り回されず、コモン(森や水や土地、エネルギーなどの共有財産)を根源的な「富」として再生し、シェアする未来へ。

 

「労働」と「生産性」についての話は、今の私にとって大変に興味深いものでした。

 

●「労働力」は人間が持っている能力で、本来は「富」のひとつ

●資本家は「労働が生み出す価値」を労働者から買っているのではなく、「労働力という商品の価値」に賃金を払っている

●日々の豊かな暮らしという「富」を守るには、自分たちの労働力を「商品」にしないことだ

 

しかし・・・

●技術革新によって生産性が向上することで、労働者は楽になるどころか、ますます労働へとかりたてられている

●技術発展の結果、多くの労働は、無内容で無意味、つまらないものに

●単純作業に閉じ込められることで、人間の労働が本来持っている技能という「富」が、どんどん貧しくなっていく

●誰でもできるような仕事を、クビにならないように必死にまじめにやっている

●労働者が労働条件を使用するのではなく、労働条件が労働者を使用する

 

 

●本来の人間の労働は、どんなものをどのように作れば役にたつかという『構想』と、それを実際の形にする『実行』とが統一されたもの

●資本家は、生産過程を細分化して分業させ、労働における『構想』と『実行』を分離することで生産性を高めた

●『構想』は資本家や現場監督がするものとし、労働者は『実行』のみになった

●作業をマニュアル化することで、労働者をシステムに組み込む

●『構想』することを奪われた労働者は、知識や洞察力が身につかず、『実行』面でも能力を開花させられなくなっていく

 

 

これは、まさに「介護のサービス業化」で行われてきたことでは?

介護する人も介護される人も、システムに組み込まれ、点数化され、細分化された時間でノルマをこなさなければ、「サービス」を受けられず、「報酬」を受け取れません。

システムや細分化された時間に適応できないものは、問題ありのレッテルを貼られていきます。

現場で『構想』することを奪われた介護は、想像力や洞察力を身につけることができません。

そのため、『実行』においても能力を開花させることができず、成長への意欲を持てません。

 

介護における労働を豊かにするには、どうすればよいのでしょうか。

 

現場に『構想』を取り戻すには、対象者の全体像を24時間365日を通して見ること、一人ひとりの可能性を見出すこと、暮らしの主人公になるケアを築くこと。

職員同士も対話を重ねること。

 

ムダやムリを減らすことが目的化しないように。

目先の成果にとらわれすぎないように。

 

『構想』と『実行』が統一された「労働」をしたい。

そういう豊かな「労働」を「富」にしたい。

 

 

楽しくてクセになります♪

キネステティクス®アドバンスコースの3日目が終わり、4名の方が修了証を手にされました。

それにしても、皆さん楽しそうですね~♪

これは、<上着を着たり脱いだりする>動作をバラバラに分解しながら、重さの移動や手の動きの方向を言葉にしようとしているところです。

ふだん意識せずにササっと行っている動きを、キネステティクス®の6つの概念を使って説明してみましょう!

上着に腕を通すために、頭から足先までを実にうまく調整しながら動かしていることがわかります。

また、人によって微妙に違うこともあったりします。

 

介助される人にも、する人にも、双方にやさしい介助を学ぶキネステティクス®は、6つの概念からなる学習システムです。

ベーシックコースでは、人の体や自然な動きについて、体験を通して学びます。力任せに持ち上げたり引っぱったりしない自然な動きを活かした介助は、お互いが楽なんだとわかります。

「こんなやり方があるなんて!」

「もっと早く知りたかった!」

ベーシックコースは、目からウロコ満載の3日間(笑)

 

 

 

 

アドバンスコースでは、日常生活における活動(食事や更衣など)の姿勢や動作について、6つの概念を使って言語化することを学びます。

そのうえで、介助が必要な人のどこをどのように介助すれば、お互いが楽で、しかも相手の動きを引き出す支援につながるかを考えていきます。

麻痺があったり緊張が強かったりする人も、言葉のやりとりが難しい人の場合も、あくまで、相手の感覚と意思と動きを感じ取りながら最大限に尊重して介助します。

《感じ取る》や《尊重》などというと面倒な気がするかもしれませんが、介助する側の動きは合理的な理論に基づいています。

お互いが楽に安心して動けるので、結果的には時間もエネルギーも最小限ですむというわけなんです。

相手の動きを感じながら介助することが、どれほど楽しくて嬉しく感じられることなのか、皆さんの笑顔からわかります。

皆さんの感想から、一部を紹介します。

 

●学ぶということの楽しさを感じられた3日間だった

●職場の仲間にも知ってほしい、伝えたい

●仲間にどう伝えたらいいだろう、それも勉強したい

●介助のしかたで相手の緊張を高めていることがあるとわかった

●相手を緊張させない介助は、自分の体にもやさしい

●重さを受ける場所を考えて支えること

●介助によって相手の動きを妨げないこと

●「どうやって着せるか」ではなく、「この人のどんな動きを引き出したら着られるか」を考える

●介助される側になったとき、トレーナーの手がとても優しくて大切にされていると感じた。私も利用者さんにそう思ってもらう介助がしたい。

 

ご参加の皆さま

いつも県外から駆けつけてくれるトレーナーの皆さま

ありがとうございました。

 

次の学習会は、3月15日(日)10時~12時です。

人にやさしい介助に関心のある方なら、どなたでも歓迎です♪

 

次のキネステティクス®ベーシックコースは、2020年4月~5月と、8月~9月に開催予定です。

 ⇒詳しくはコチラから

 

ご参加お待ちしています。

サロン 新着3件

「触覚」は「距離マイナス」だという発見

気がつけば6月もなかばで、雨上がりの紫陽花がまぶしい季節。12日の「ゆるふわ読書会」は、『手の倫理』2回目(第2章)でした。

オンライン開催も2回目で、順番に音読して感想を話し合いながら進めたのですが、声に出して読むのって気持ちいいなあと、今さらながら思いました。

学校の授業で順番に読まされるのって、好きじゃなかったんだけど(笑)

ご参加ありがとうございました。

次回は7月10日で、第3章をとりあげます。

 

 

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ほっとサロンの活動を再開♪

シェアホームおふくの家の一角で《ほっとサロンおふく》の活動を再開しました。前の場所からそのまま移してきて、メディカルハーブ教室や読書会などを行っていますが、まだしばらくはオンラインや個人対応の形になりそうです。

5月8日は「ゆるふわ読書会」をオンラインで再開し、課題本の伊藤亜紗著『手の倫理』を輪読しながら、それぞれ感じたことを話し合いました。オンラインで輪読するなんて初めてです。論理的で明快な文章が視覚と聴覚から入ってくるのですが、なんだか著者の手の温もりにふれているような気持ちでした。次回は6月12日です。

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ほんとうのものを見る勇気があれば…

第26回「本好きのための読書会」は、『勇気』をテーマに持ち寄りました。

進む勇気、とどまる勇気。

変える勇気、変えない勇気。

こころの扉を開く勇気、守りぬく勇気。

あきらめる勇気、あきらめない勇気。

求める勇気、受け入れる勇気。

言葉にする勇気、聴く勇気。

いろんな『勇気』が集まって、こころのエネルギーになっていった時間でした。ご参加ありがとうございました。

『愛には、いさましさも含まれていて、勇気には、やさしさが含まれている』(やなせたかし著「ぼくが正義について語るなら」より)

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にゃんこ 新着3件

ねこを手本に

ある朝めざめたら、みんな言葉を忘れていました。

話そうとしても、出てくるのは「ニャー」だけです。

困った人たちは、「こんな日は、猫を手本に過ごそう」と決めました。

おなかがすいたとき ねむたいとき うれしいとき イライラしたとき 誰かとわかりあいたいとき…

猫はどうしているのかな。

私はどうしているのかな。

世界中の人が猫をお手本にする「せかいねこのひ」は、学校も仕事もお休みで、戦争もありません。

『せかいねこのひ』井上奈奈/新日本出版社

 

 

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クロが教えてくれたこと

2月11日、クロちゃんが死んだ。

推定10歳♂

ネコエイズ(免疫不全)とヘモプラズマ(溶血性貧血)に感染していて、重症の貧血と黄疸と腎不全でした。

昨年7月に「おふくネコ」として迎え入れました。

 ⇒ 過去記事「ただいま修行中

皮膚病や口内炎の治療をして元気になってきて、私以外の人にも慣れてきたと思った11月末、まさかの黄疸発症。

 

クロのことを気にかけてくださった皆さま、やさしく見守ってくださった皆さま、ありがとうございました。

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にゃんず近況♪

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その他 新着3件

ミニ菜園づくり報告

ピンク~紫~青と、微妙な色づきぐあいで、玄関アプローチの紫陽花が咲き始めました。

石楠花やアマリリスなども。

引越ししてから取り組み始めた家庭菜園では、ナスやミニトマトやカラーピーマン、ゴーヤなど夏野菜が順調に育っております♪

バジル、ラベンダー、レモンバームなどのハーブ類も植え付けました。

そして、段ボールコンポストで堆肥づくりも開始。初めてなので結果は未知数ですが(笑)、楽しみながら手間ひまかけてまいります。

 

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ホームページをリニューアル♪

《シェアホームおふくの家》開所にあたり、ホームページをリニューアルしました。

物件の購入から開所まで、お世話になった方々に改めて心から深く感謝申し上げます。ありがとうございました。

もとの家にあった家具や草木たちを大切にしながら、スタッフさんやこれから出会う利用者の皆さんと「お互いさまで住まう家」を創っていきたいと思います。

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自己効力感を作る試み

3月から7月まで書き込まれていた予定が次々に消され始めて3か月。自分自身も小さなサロンおふくも、存在の意味を揺さぶられてるようで、まことに心もとないというのが率直なところです。

売上など全く考えずにやっていたこんな小さな場所でも無力感にうちひしがれてしまうので、個人で経営されているような飲食などの店は、いったいどれほどのダメージと焦燥感なのだろうかと思うと、胸が痛くなります。

そんな無力感に浸りがちな私が、そこを脱するためにやってみたことを書いてみます。

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