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今年もまた、スタッフが用意してくれた笹を玄関に飾ることができました。感謝。
月遅れの七夕祭りにホームのお年寄りが託した願いごとは、「みんなが元気で過ごせますように」でした。
「いつまでも元気でいたい」と言うこともあれば、「早くお迎えが来てほしい」と手を合わせるときもあり、90年を超えて生きてきたお年寄りの胸中は複雑です。
「こんなになってしまって惨めで情けなくて生きていたくないと思っていたけど、わたしね、やっぱり、生きていたいと思ったのよ」
「もう食べたくないなんて、あなたに言ったけど、ほんとうはね、命、命よ、命。命が大事」
きりりと前向きな顔をして言うおばあさん。
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久しぶりの前向きな発言に、つい乗っかって、「ひとくちでも食べてくれたら、私たちは嬉しいです」と言ってしまった私。
「そうでしょうね。そんなのあたりまえのことよ」と、即座に鋭く切り返すおばあさん。
…ごめんなさい。
おばあさんの世界に居続けるより私のリアルへ引き込むほうが楽だから、私の都合のいいように、おばあさんの話を使ってしまったのでした。
5分前のことを覚えていない、時間も場所も見当をつけられない、そんなおばあさんの心の奥深くからの語りに比べ、なんと薄っぺらな私のかかわりでありましょうか。
ときどき「これから食事はいたしません、私に食事を用意しないでください」と宣言をするおばあさんに、心をこめてご飯を作るスタッフさんたちに感謝。
おばあさんが、一日でも長く長く、その鋭い切り返しで、薄っぺらな私を叱ってくれますように。