『ノーリフト』で文化を変える

すてきな本が届きました。

ノーリフト 持ち上げない看護、抱え上げない介護

保田淳子著 クリエイツかもがわ

看護介護に腰痛はつきもの、仕方ないもの、個人の責任・・・そんな「文化」を変えることになる1冊。

あとがきに『ノーリフトは、日本の看護・介護にとっての「黒船」のようなものなのか』 とありました。

これまで正しいとされていたこと、常識とされていたことをひっくり返す「ノーリフトケアプログラム」!

詳しくは ⇒ 一般社団法人 日本ノーリフト協会 ホームページ 

 

筆者の保田淳子さん(看護師)が留学していたオーストラリアで出会った「ノーリフト」は、

人力の代わりに福祉用具を使いましょうというような短絡的なものではありません。

 

『人間のもつ自然な動きに沿った介助を行うことが強調され、それでもできない場合、

 最後の最後にスライディングシートやリフトなどの機械を活用』するのであって、

『機械や用具を活用する際でも、しっかりとポジションを整えておかなければ腰痛がおきる』のであります。

 

「うんうんその通り!」「なるほどそういうことかぁ」の連続で、一気読みしました。

付属DVDもわかりやすくて、どんどん活用したくなりました。

 

『目の前の人に何が必要かを判断し、その後(生活や経過)を予測してケアを提供する』

自分本位ではなく、相手に「今」必要なものを確かめて考えて行動する。

そもそもの看護のあり方が根底にある「ノーリフトケアプログラム」の普及を願ってやみません。

 

19年ぶりの改訂という「職場における腰痛予防対策指針」(厚労省2013年)では、

医療・福祉分野も対象になりました。

福祉機器の導入が進められたり、腰痛予防対策としての職員研修が行われたりしています。

ケアする側本位の「腰痛予防対策」が流通することのないように。

患者や利用者の存在を抜きにしない「腰痛予防対策」を。

 

「文化」を変えるために、私もやれることをやらなければと背中を押されました。