気づきを築く3日間

キネステティクスⓇアドバンスコースが開催され、在宅訪問介護に従事している2名の方が修了されました。

ベーシックコースでは、人の体の自然な動きについて、6つの概念を用いて学習しました。

 ⇒ ベーシックコースの様子はコチラ

私は修了生として参加できました。

今回もまた、皆さんの熱意に刺激され、新鮮で奥深い気づきがいっぱいの3日間でした。

写真は、手足の関節が動きにくくなっている方の寝返りを再現しているところです。

こちらは、浴槽の出入りについて、今実際にやっている動作と介助方法を再現しているところです。

他にも、手足の関節が固まって動きにくくなっている方や、腰が曲がってしまっている方の着替えの介助についてもやってみました。

 

被介助者(利用者)の体の使い方や五感の使い方、介助者の体の使い方や利用者との関わり方などについて、キネステティクスⓇの概念を用いながら情報収集し、分析します。

 

 

 

このように、アドバンスコースでは、実際に活動している場面での被介助者と介助者に注目します。

単に身体機能や認知機能だけではなく、今やっている方法にいたった経緯についても分析。

そして、在宅ならではの物的・人的環境や個人的な背景なども考慮しつつ、改善点を探ります。

 

 

この、情報を集めて分析して改善点を探るときにも、自分の体を通してやるのがキネステティクスⓇの学習です。

 

 

今回、改めて学んだことがありました。

 

 

まず、被介助者や介助者や環境について「できない」ばかりを拾い集めないこと。

使えるのに使っていない(知らない・気づいていない・やる気がない)。

行為・動作の目的を見失っている(危ない・時間がない・お金がない)。

だいたいは、この両者が絡み合って「こうするしかない」になっていることが多いように思います。

 

この方の「浴槽をまたぐ」行為は、そもそも、いったい何のためにしているのか。

被介助者や介助者や環境について、気づいていない「できる」が必ずあります。

それを探っていく姿勢を持つことが大切です。

 

 

そして重要なことは、「できる」を理想論にしないことです。

「そうできたら一番いいけれど・・・でも」になってしまうと、かえってモヤモヤして無力感さえ抱きかねません。

理想は理想として、はじめの一歩をどうするのか。

「これなら明日からできる」「これなら家族に伝えられる」などの、現実的で実行可能な「できる」を発見するところまでやる!

学んだことを実際に活かせるところまで、必ず落とし込んでいく。

小さなトライの積み重ねが、次のステップにつながることを伝えきる。

 

 

受講生もトレーナーも、充実した笑顔で終わったキネステティクスⓇアドバンスコースでした。

 

たくさんの気づきを築いた3日間。

皆さま、ありがとうございました。

 

今後の予定です。

人にやさしい介助を学ぶ

 7月8日(日)10時~12時

 キネステティクスⓇに関心のある方の参加をお待ちしています

 

キネステティクスⓇアドバンスコース

 9月1日(土)・2日(日)・9日(日)

 ベーシックコース修了者が対象です