「自費ってどうですか?」

自費のホームヘルプ利用者さんのお庭で、蝋梅(ろうばい)があんまり見事だったので、お許しを得て撮らせていただきました。

持病のため日常の動作に制限が生じ介護認定を申請したけど「自立」になりました。ちょっとした家事援助があれば、持病を悪化させることなく、ひとり暮らしを継続できる方です。

介護保険制度と制度外の混合を推奨する動きがあるからなのか、

制度外の事業「おふくの手」について聞かれることが続きました。

営業活動しないまま細々やっている状態なので、

現状どんな内容の利用があるかっていうことぐらいで、

聞かれても参考になるような話はできませんで・・・(笑)

いまだ経営者になれないワタシです。

 

制度の隙間を埋めようと始めた「おふくの手」。

家族に代わっての付き添いや見守りは、1時間2000円いただきます。

やむを得ずという場合がほとんどなので、

お役にたてたという喜びをダイレクトに受け取ることができます。

 

家事援助の場合、1時間1500円です。

安すぎるのでは・・・?と言われることもありますが、

この1500円を秤にかけて何と比べるかは利用者側の事情。

家事援助については、問い合わせから利用につながるのは1割あるかないかです。

 

家事援助を利用されるのは、ごく普通の市民生活をしている方たちです。

 

制度が使えるならば、ほんとうは負担金の少ないほうを利用したい方がいます。

◆介護認定の申請をしたが、「非該当」になった

◆家族が同居しているため、希望するものが使えないと言われた

◆限度額いっぱい使っていて、増やせないと言われた

◆65歳で介護保険に移ったため、「障害」で利用していたサービスが使えないと言われた

 

制度が使えるかもしれないのに、自分の意思で自費のほうを選択する方もいます。

◆認定調査や利用の経験で嫌な思いをした

◆細かく決められていてめんどうだ

◆制度のサービスも使っているが、内容に不服がある

 

自費利用の背景はさまざまですが、

3年余り事業を続けながら感じていることがあります。

利用するかしないかは、お金の「あるなし」というよりは「使い方」の違い。

もちろん、無い袖は振れませんが・・・。

 

1500円を、今日の一日を気持ちよく、あるいは前向きに生きる価値に変換する。

そうすると、明日を自分らしく生きることにつながっていく。

その先に見ているのは、自分がどう生ききるかということ。

 

体の不自由さや心細さがあるなかでも、

これまで重ねてきた「時間」と「生き方」が支えとなっています。

不自由ななかでも「生き方」がぶれない。

そんな先輩方に学ぶ日々でです。

 

一方で。

お金の使い方にしろ家族との関係にしろ、

何歳になっても変わるチャンスはあります。

なんらかの不自由さや困りごとが生じている今がチャンスです。

その気になれば、お金を使ったり周りにある手を借りたりできるはずなのに。

それまでのやり方を変えられない方にも出会ってきました。

困ったままの状態なのを見ると悶々としてしまいますが、それも本人の選択です。

 

あとひとつ。

振る袖が無い場合は、公的な支援の手が差し伸べられるべきではないのか。

 

ウチには利用できるものがありませんが、民間の自費ならあります。

ただしお金を払えるかどうかは自己責任で。

もっと介護が必要になったらまたどうぞ。

・・・って、なんか違うんじゃないか。

 

・・・なのでかどうかは知らないけれど、

「ボランティアの人がやってくれますよ」って言える仕組みを作ろうとしているみたいです。

地域住民のボランティアに期待する・・・って、なんか違う。