『老いの重荷は神の賜物』

10月末の旅で訪れた長野県諏訪郡富士見町にあるペンション「北欧」は、スウェーデン伝統のトーリングハウスをそのまま再現したもの。

重厚で温かみのある木造建築で、無農薬自家栽培の野菜や手作りハムや山菜の料理。

病気療養のために長期滞在する方もおられるとのことでした。そこで出会った詩をご紹介します。

ペンションの2階へ上がったところに飾られていた額。

 

『最上のわざ』

この世の最上のわざは何?

楽しい心で年をとり

働きたいけれど休み

しゃべりたいけれど黙り

失望しそうなとき希望し

従順に平静におのれの十字架をになう

 

若者が元気一パイ神の道をあゆむのをみてねたまず

人のために働くよりも けんきょに人の世話になり

弱ってもはや人のために役立たずとも 親切で柔和である

 

老いの重荷は神の賜物

古びた心に これで最後のみがきをかける

まことのふるさとへゆくために

おのれをこの世につなぐくさりを 少しずつ

はずしてゆくのは まことにつらい仕事

こうして何も出来なくなれば それをけんきょに承諾する

 

神は最後にいちばんよい仕事を残して下さる

それは祈だ

手は何も出来ないけれど 最後まで合掌できる

愛するすべての人のうえに神の恵を求めるために

すべてなし終えたら 臨終の床に神の声をきくだろう

「来よ わが友よ われ 汝を見捨てじ」と

カトリック信者である友人が、信仰に生きて来られた神父にも、老いて病んでいくことへの怖れや迷いがあるのだと話してくれました。

 

『おのれをこの世につなぐくさりを

 少しずつはずしてゆくのはまことにつらい仕事』

ずしりと響きました。

 

つらい仕事の重荷を ほんの少しでも一緒に。

 

けんきょであれ と教えられました。

無力に思えても、誰かのために祈ることはできるんだな。