戦(いくさ)の出てこない物語

このブログに「源氏物語」のことを書いたご縁で、

なんと、「源氏物語の講演会があるので一緒に行きませんか?」とお誘いをいただきました。

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専門家のお話を聞けるまたとない機会です。

おそれ多いと思いつつも、行って参りました!

 1000年の時を超えて読み継がれる古典の評価は多々ありますが、「戦(いくさ)が出てこない物語」という見方を初めて知りました。

←フウセンカズラに 風船ができました(^^)

「もののあはれ」の文学として、また政治の駆け引きの参考書として武士にも読まれ、高貴な方の嫁入り道具(紙自体も貴重品)でもあったそうです。

それが、昭和のある時期には「非国民」の読み物として扱われ、没収されたりしたことも知りました。

講師の語る少女時代の思い出には、

平和への願いが込められていました。

講演のテーマは「彩(いろどり)から読む源氏物語」。

戦のない世の中だからこその、豊かな色彩表現。



 ↑ 私の本棚から引っぱり出した「源氏物語の色」。物語の色彩表現から古代の色を再現したというものです。

 ↓ 「衣配りの段」の『紫の上』の色を再現したページです。

講演で語られた「衣配りの段(玉蔓)」。

源氏が、世話をしている女性たちに贈る晴れ着を選ぶという有名な場面です。

源氏が選ぶ『衣装(色)』で、かの女性たちの立場や境遇や容姿などを表現しつつ、それを見守る『紫の上』の心情もからめていくという・・・。

講師の語りによって、文字に人の体温が与えられ、

紫式部の偉大さを改めて思ったことでした。

原文を音読して日本語の美しさを体感してほしい、古典を大切に、と、繰り返し話されていました。

 

私に『紫の上』の美質を語ってくれた利用者さんにも、もちろん報告いたしました。 

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講演の参加者で「桐壺」の音読をしたことを話していたら、

「桐壺」を朗々と暗誦してくださいました。(いきなりです)

このところ体調が良くないせいもあって、気分が沈みがちだったのですが・・・。

さすがの気転と心意気。

観客は私ひとりなのですが、大きな拍手を贈りました。

 

講演に誘っていただいて、ほんとうにありがとうございました。

この場を借りて、あらためてお礼を申し上げます。