「かんで味わう至福感」

これは、24日の朝日新聞に掲載されていた

「健康な食事術」の記事の一部です。

健康のためよくかんで食べましょうって、 

子どものころから聞かされてきました。

最近は「脳の活性化」という点でも言われています。

新潟大学教授・山村健介さんの「かむ」ことの話に、

「なるほど!」と思ったので紹介します。

『食物を口に取り込んで嚥下をする』 というのは非常に高度な運動なのだけれど、

『もともと脳にある回路を使う』 運動なので、期待するほど脳を活性化するわけではないらしいです。


私たちが物を食べているときに脳を使ってやっていることは、以下のようなことだそうです。

    『見た目や味、歯触り、物の温度といった色々なものを感じ、記憶にとどめる。』

   → 『味わい、のみこむことで満足感を得る』

   → これ繰り返して『食の記憶』を作っていく


高齢者介護で「食べること」を考える場合、

 食べない かめない 飲み込みが悪い むせる  ・・・こんなことに注目します。

食べものを口に取り込んで かんで のみこんで という「運動」のほうに注目し、

あれこれ対策を講じないといけないのは、

のどに詰まらせたり肺炎になったりしないようにするためです。

健康を守るためには大事なことですが、『食の記憶』という視点を失ったら介護ではないのです。

健康を守りながら、『食の記憶』を作っていく工夫をするのが介護だと思いました。


 『運動のためによくかむのではなく、 味わい、記憶にとどめるための咀嚼が大事』

                                    ※咀嚼(そしゃく):かむこと


食べものを五感で受け取り 口に入れて 味わい 記憶にとどめる。

できるだけ 可能な限り この記憶を重ねて生きる。