伝え上手になる

介護施設で働く「生活相談員」の方たち対象の研修をしてきました。

「生活相談員」という職種について明確な定義づけはないようなのですが、

介護保険施設のなかでの主な業務は 利用契約に関することや介護計画に関すること、

事業所内の職種間調整、他の事業所や地域との連携などでしょうか。

現場目線で言うなら なんといっても「家族対応」「多職種連携」が重要な役割といえるかも。

「相談員」という名称の通り 社会福祉士などの資格を持ち、

面接やソーシヤルワークのスキルが必要です。

利用者さんに直接かかわる介護も担いながら、

家族からの相談や他事業所や地域との窓口にもなるという「事業所の顔」。

なかなかのハードワークなのです。

 

今回 主催者からのご要望は「コミュニケーション」のスキルアップ。

言われっぱなし・聞きっぱなし・抱え込みにならないよう「伝える力」を磨こう

 ・・・そんなコンセプトで行いました。

 

「傾聴」の基本的なスキルに うなずき・あいづち・くりかえし があります。

実はこれ 「あなたの話を聴いていますよ」を「伝える」スキルなのです。

 

「質問技法」も 「あなたに関心をもって聴いています」 を「伝える」スキルです。

 

耳タコ気味の「傾聴」も 共感しながら聴いていることが伝わらなければ始まりません。

そんな話をしつつ 話す人- 聴く人 両方の役で 「伝える」を意識しながらグループワークに取り組んでもらいました。

 

あなたに関心をもって 共感をもって 聴いています

そんな言語・非言語のメッセージを全身で表現し 相手に伝わって 受け取ってもらえる。

それが「相談員」に必要なコミュニケーションスキルの基本の“き”ですね。

 

参加者の皆さん 慣れない「表現するワーク」に四苦八苦しながらも、

一生懸命とりくまれました。

グループのメンバー同士 ふだんの業務とは違った交流もできたのではないかと思います。

 

「わかってほしい」「伝えなければ」という気持ちが強くなるほど、

相手が受け取れるように表現したかどうかを見失ってしまって

「わかってくれない」「理解してもらえない」と相手を責めてしまいがちです。

私自身も 数々の失敗を重ねてきました(^_^;)

 

あらゆる人たちのなかで“板ばさみ”になる相談員の皆さんが、

“板ばさみ”の苦しさに燃え尽きることのないよう応援します。

相談員ならではの“板ばさみ”状態を 仕事の醍醐味や喜びに変えられるように。

 

寄せられた感想の一部を紹介します。(特定できないよう一部加工しています)

業務をやりくりして参加した皆さん お疲れさまでした。

  そして ありがとう♡ またお会いしましょう♡

 

  ・伝えたい気持ちが強くなると話が長くなっている

  ・どう受け止められたかを考えるようにしたい

  ・ふだんの業務ではマイナスの情報が中心

  ・ポジティブな表現は難しい

  ・喜びのある「板ばさみ」で余裕をもってがんばろう

  ・グループで笑い合えてとてもよかった

  ・久しぶりにすっきりした