映画「僕がジョンと呼ばれるまで」

「アメリカで行われた認知症のおばあちゃんたちの“チャレンジ”

 それはみんなが笑顔になる希望の物語  (映画のチラシより)」

 日本で開発された認知症の予防や改善のプログラム「学習療法®」にチャレンジする

アメリカの介護施設のドキュメンタリー映画「僕がジョンと呼ばれるまで」。

チケットをいただいたので観に行ってきました。

映画チラシによると「学習療法®」とは、

「認知機能が衰えはじめた高齢者とスタッフが、

 対面でコミュニケーションを取りながら、

 簡単な『読み』『書き』『計算』を行うもので、

 現在、日本国内で1万人以上が実践しています。」というもので、

「学習療法®」が公文の登録商標であることは今回初めて知りました!

 

お年寄りの“チャレンジ”と“変化”が、

介護スタッフのジョンの目線で わりに淡々と むしろ明るいノリで 描かれていました。

認知症を「脳の病気」ととらえ 脳のエクササイズによって「治る病気」に変えていく。

家族の「母が母であったころに戻ってほしい」という言葉は身につまされました。

自分の名前を憶えてくれたら嬉しいと思う スタッフの気持ちも理解できました。

大事な人に『ありがとう、さようなら』と最期に言えたら幸せ というメッセージもわかりました。

登場するお年寄りが 家族からスタッフから どれほど愛され敬われているかが伝わってきたので。

誰と どこで どんなふうに暮らしているかが大事なのでしょう。

 

解放感あふれる施設の 木や布のぬくもりと オトナな装飾の落ち着きが印象的でした。

日本の施設によくある「安全」「清潔」「効率」「コスト」優先的な風景はありませんでした。

幼稚園のような「手作り飾り付け」の風景はありませんでした。

そして 歩行器を使って ゆっくり歩いているお年寄りたち。

転倒するとか時間がないとかを気にしなくていいのかも なんてことも思いました。

 

それと 日本の製作スタッフでアメリカの施設 という素朴な疑問を持ったので、

帰宅してからインターネットで調べてみたところ、

映画の公式サイトから いくつかわかったことがありました。

 ・介護保険がある日本で費用のかかる学習療法は普及しにくい・・・(*_*)

 ・外国で評価されて外国から情報が入れば日本でも公的に認められやすい・・・(^_^;)

 

そういうことかと納得できたのも ちょっと悲しい現実ですが、

80年90年を生き抜いてきたおばあちゃんパワーは どこの国でもすごいのです。