昨日に続き ときめきセミナーからの報告です。
ある参加者の方の “気づき”のきっかけとなった事例を紹介したいと思います。
その方にとって 「良い介護スタッフ」 の条件のひとつは、
「怒らせないで誘導できる人」 だということでした。
たとえば入所施設だとこんな感じです・・・
食事が終わって自室に戻ろうとする利用者に上手いことを言ってリビングで洗濯物をたたんでもらえるスタッフ = 「できる人」 という風に指導されているわけです。
そこで その「できる」スタッフの行動を分解して眺めてもらいました。
自分の部屋なのに なぜ戻ったらだめなのか?
洗濯物たたみは その利用者の「やりたいこと」なのか?
その誘導は誰のための誘導なのか? などなど。
→ 食後30分は横になってはダメだからリビングにいてもらわないといけないし、
スタッフの手が空いたら「順番に」口腔ケアに誘導しなければならないし、
それから「順番に」自室に誘導してベッドに寝てもらう。
なにより 1人だと転倒するのです。
ぜったい転倒させてはならない と言われているのです。
その「できる」スタッフが「できた」のは 「職員の管理下に置くこと」です。
5人の利用者が好きに行動してしまったら 1人のスタッフでは「転倒」を防ぐことができない。
とりあえずじっと座っていてもらえるようにすること それが「やらなければならないこと」です。
この施設が特別に厳しい環境なわけではないように思いますし、
介護の現場が陥りやすいブラックホールのようにも思いました。
利用者を不機嫌にさせないで管理下におくことができる = できる人 = プロ??
あらためて 大事な気づきをもたらしてくれた事例でした。
人が老いて 障害をもって(あるいは病を得て) 死に至る。
そのあたりまえな自然な時間を できるだけ豊かに ともに過ごしたいと介護職は思っています。