老いとの向き合い方に学ぶ

間もなく大寒ということで、スタッフさんたちのためにハーブバスソルトを作りました。ピンクの岩塩に、カレンデュラ、ローズ、レモングラスで彩りも楽しく♡

鮮やかな黄色のカレンデュラは、乾燥しがちな冬の肌に。優美で華やかな香りのローズは、リラックス&元気づけに。そして、爽やかな香りのレモングラスは、おふくで収穫して乾燥させたものを初使用♪ 疲れた脳と体をリフレッシュさせてくれることでしょう。

適量をオーガンジーの袋に入れ、湯船で岩塩を溶かしながらハーブの香りを楽しんでくださいね。

最近、スタッフさんたちとよく話すのは、「老いとの向き合い方は人それぞれというけれど、その人の生き方や価値観そのままだなあ」ということです。

 

一年二年という時間軸の「加齢」は全ての人に等しく訪れますが、「老化」の仕方には個人差があるものです。

そして、自分の「老い」とどのように折り合いながら生ききるのか、最終ステージの生き方も人それぞれです。

 

80年も90年も生きて来られた方たちですから、遺伝子レベルのことよりも、ものの見方・とらえ方、築いてきた人間関係、自分自身との関係(自分のことをどう思っているか…など)が大きく影響しているように思われます。

 

ホームには、「昭和ひとけた」と言われる方たちが暮らしておられます。

昭和から平成の90年前後を生き、縁あって、令和3年から共に過ごすことになった皆さん。

それぞれの「老いとの向き合い方」に、日々学ぶ私たちです。

 

唯一のホーム入居条件は、「お互いさま」の共同生活を理解し同意していることでした。

人生の最終ステージで他人と「共同生活」をすることになった「わたし」について、「素晴らしい人生だ」と言える人はなかなかいないと思いますが、少なくとも、「まあまあ、それなりに善きこともあってこんな感じよ」「まあまあ、自分なりに何とかやってきたんだから」のようなとらえ方ができるのかどうか・・・。

「お互いさま」の暮らしには、自分の人生について肯定的な気持ちが必要ということがわかってきました。

 

 

 

「お互いさま」には、まず自分自身と折り合いをつけている必要があるのです。

心理的自立といえばいいのか、依りかからない心というのか、自分の足で立っていることができる人。

この場合の「自分の足で立っている」とは、自分の感覚とか自分の意思とか判断とかを信じられるという意味です。

 

依りかからない人は、苦心しながらも(だって初体験だから)、自分の「老い」と向き合って、老いてゆく自分と折り合いながら生きていくことができるのではないかしらん。

老いてゆく自分を受け入れていく過程は苦しいけれど、その苦しさゆえに他者の存在に気づき、他者への信頼を再構築できる・・・。

 

とにかく、もともと肯定的な自分というものがある人は、たとえ不本意であろうと、あるいは「好き嫌い」とは別の次元で、他者の存在を受け入れられるのですね。

ホーム開所から数ヵ月を経て、そんなことを思っています。

 

ある方の、人生いろいろ山あり谷ありの話をお聞きしていると、いつも微笑みを絶やさず、他者を思いやりながら交流し、家族との時間を慈しみ、今を楽しむ姿でいられることがすごいなあと、心から思うのです。

まさに、他者を信頼し、他者に依りかからない心で今を生きておられるのです。

 

ある方は、記憶や見当識の混乱という時期におられると思われます。突然襲われる心細さや恐怖から錯乱状態のようになることがあります。そんな時も、「どんなに情けない姿になっても私は私なのよ」「誰にも文句は言わせないわよ」という気概のようなものが垣間見え、老いと必死に闘っている姿がいとおしくなります。

 

 

 

 

いっぽうで、「お互いさま」とは正反対な生き方をしている実家の母親をホームに受け入れて、七転八倒している私もいます(笑)

自宅から救急搬送で入院し、いきなり要介護2から5(酸素吸入しながらの寝たきり全介助)になり、いろいろあったあげくに決断しました。

ですが、3日で後悔しました(笑)

私の母親の存在が、ホームの日常をガラッと変えてしまいました。

スタッフさんたちのおかげで、どうにか私自身を維持しております。

自分の問題であり、まさに修行の日々です!

 

いずれそのうち、そのあたりのことを書けたら書きます(笑)