ゆるふわ読書会②

読む時間がない人でも大丈夫ってことで始めた読書会の2回めは、ケアする仕事に従事するメンバーのため、SNSのグループ投稿を使って行いました。

1回目は、プロローグ「交感するケア」だけで盛り上がってしまい、ぜんぜん進みませんでした(笑)

 ⇒過去記事「おもしろくて深い読書会

それもオッケーなのですが、今回は、第1章と第2章から好きな文章や言葉を選んでコメントをつけて投稿し、メンバーで共有するという形にしました。

ご参加ありがとうございました。

 

 

 

メンバーが好きだった言葉から、一部を紹介します。

 

言葉の肌理(きめ)

はらわた語

地の声・地の言葉(=方言)

言葉や声には、触感というものがあり、言葉のもつテクスチャー(肌ざわり・質感)が大きな意味をもつことがある。

呼びかけや語りかけには、グルーミング的働きがあり、それは地の声でないと。

体の中から出てくる方言には、言葉の意味そのものよりも大事な何かを伝える力がある。

腑に落ちるって、まさに《はらわた語》が《はらわた》に入ったということなんだなあ。

 

 

『人間の気持ちって、嬉しいとか悲しいとか、そんなすっきり行くものではないんですよね。苦しいけど嬉しいとか、悲しいけど腹が立つとか、複雑にもつれているものだと思う。なので、絵文字でニコッとされても、それを真に受けていいのかどうか』

『いま世の中で話されている言葉って、みんな書き言葉みたいでしょう』

『はらわた語というか、内臓言葉じゃないのね』

『地の声っていうのは、子どものときからシャワーのように浴びてきた言葉ですね』

 

 

●汲みとる

●途方に暮れ合う

理論ではなくて、うまく説明できないようなこと、これだけは譲れないというようなこと。

あるいは、自分でも気づいていないようなこと、聞かれても説明できないようなこと。

ケアの現場で日々起きている《途方に暮れ合う》ことのなかには、マニュアルではどうにもならないことがある。

それを発見し、《汲みとる》ということが、ケアする人の勇気づけになる気がする。

 

 

『なぜ臨床が好きなんですか?と聞かれたときに思うのは、そこがゴルフ場のようなきれいな人工芝じゃないからです。水たまりがあったり、道がゆがんでガタガタしていたり、ミミズがちょこっと出てきたりする。時には、道が途切れていることにホッとしてみたりね。自然物なんです、臨床も』

 

 

●相対的にベスト

船の底に穴が空いたら、ドッグに入れて修理して、直してから航海に出るけれど、ケアの現場にはドッグに帰る余裕はない。とりあえず応急処置を続けながら、根本的な解決も同時に考えながら、進んでいくしかないのだ。

目の前に、痛み、悲しみ、助けを必要とする人がいるのだから。

 

『「しおどき」とか、「落としどころ」とか、「たいがい」という言葉で、その都度、それが相対的にベストと判断しながら、つまり船底を直しながら進んでいくのが臨床なんだと思います。ドッグには帰れないし、帰らない』

 

 

今、まさに『相対的ベスト』を探りながら手を尽くし心を尽くし、奮闘の日々を過ごす現場の方たちへ。

心からの敬意と感謝の気持ちをこめて。

ありがとうございます。