熱ければいいってわけじゃない

12月1日・2日に高知で行われた、一般社団法人ナチュラルハートフルケアネットワーク主催の「ノーリフト基本技術指導者養成」コースを受講してまいりました。

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高知県内はもちろん、香川県、熊本県、そして愛媛県から、介護士、理学療法士、作業療法士、言語聴覚士、看護師という多職種が集まってのセミナーでした。

受講の背景や経緯はさまざまですが、ケアの質を上げたい、職場環境を改善したい、地域を変えたいという熱い思いに満ち満ちた皆さんと過ごした2日間は、深い学びの時間となりました。

講師やスタッフの皆さま、参加者の皆さま、ありがとうございました。

 ⇒ナチュラルハートフルケアネットワークについてはコチラ

 

指導者に必要な技術の確認を行ったあと、プレゼンテーションの実習をくりかえすという構成です。

自分のプレゼンの姿を動画に撮ってもらったり、グループ内でフィードバックをし合ったりもしました。

 

私の参加動機は、「福祉用具のデモンストレーションをカッコよくできるようになりたい」というものでした。

情報や知識を提供して啓発を行っていく手段として、カッコよく見せられたらいいんじゃないか、という(笑)

 

 

どちらかというと福祉用具に否定的な環境でしか働いたことがありませんし、私自身が「腰痛はつきもの」の意識でした。

管理職だったとき、腰痛を理由に辞めていく若い人がいたことで、初めてことの重大さに気づいたくらいでした。

 

「人にやさしい介助」を追及し始めたきっかけの一つは、介護福祉士の受験講座にかかわる仕事をしたときの経験です。

リーダー講師(看護師)の教える「移乗」などの介助法が、旧態然とした「ボディメカニクス」(対象者をモノ扱い)したものだったことに衝撃を受けました。

教則本どおりにやらないといけないので疑問をはさむ余地はないのですが、それにしても、教える立場の人が何の疑問も持っていないのは驚きでした。

 

 

 

そんな不純な動機(笑)で参加した今回の指導者養成コースで学んだことは、「誰に何を伝えたいか」「相手に届くポイントをおさえた言葉の選択」などであって、相手に合わせることの大事さでした。

(概念や理論、基本技術の習得は前提としてありますが)

 

けっして、見事なテクニックを披露して見せることではありませんでした。

また、自分の思いを熱く語ることでもありませんでした。

熱い思いは根底にありますが、受け取る人の身になって考えて、受け取ってもらえるものにしなければ空回りです。

 

これは、コミュニケーションの基本!

 

変わること、変えること。

多くの場合、これは「大変」(タイヘン)なことなのです。

 

相手が変わるポイントが、「すご~い!」「カッコイイ!」とは限らない。

「これなら私にもできそう」のほうが大事な場合もあるんですよね。

 

細かいスキルや高度なテクニックを追い求めるまでには、いくつもの段階がある。

組織によって、人によって、突き抜ける時期や段階は異なるもの。

啓発のデモンストレーションに大切なのは、相手を人として大切に丁寧に扱っていることが見えること。

しかも、自然体で。

 

これを、「カッコいい」と呼ぶことにしました。