魔法の言葉を求めるかぎり

介護施設への出前講座で最近よくいただく質問について6日7日の記事で考察しました。

あれからも、あの手この手、試行錯誤の日々です。

「拒否のある人に、どんな声かけをしたら入浴してもらえますか?」「何度も同じことを訴える人に、どう説明したら納得してもらえますか?」・・・。

残念ながら、“魔法の言葉”はないのであります。

少なくとも、私は持ち合わせていないのであります。

視点を変えてみるヒントは色々あるのだけれど。


「問題行動」を解決してくれる“魔法の言葉”を求めている限り、「問題行動」の後ろにある、その人の姿を見ることはできないのではないでしょうか。

私たちがやることは、その人の困難を理解しようとすること、その人の身になって考えたり感じたりしてみること、何を嫌がっているのかを掘り下げること。

皆さん、それぞれに感じていることはあるはずなのだけれど、そのことを自分のコトバで話したり書いたりする機会が少ないのかもしれないなあと思っている今日この頃です。

 

申し送りや記録のコトバって、「不穏」とか「拒否」とか「暴言」とかの記号ですませてしまいがちですから。

申し送りや記録のときに、どんなコトバを使っているかということも見直してみる必要があるように思います。

 

「いろいろやってみたのだけれど、〇〇さんが入浴を拒否する理由がわからないのです」

「〇〇さんが入浴しないのは、私たちのやり方がよくないのですか?どこをなおしたらよいですか?」

 

こんな声が聞ける日を目標に、ひとつひとつ丁寧に、『気づき』を築く。