こころしてふれる(7)

お母様がデイサービスを利用していたという Aさんの体験談を聞きました。

お母様は既に他界されているのですが、

Aさんの気持ちに刺さったままなのは、

お母様の具合が悪くなった時の デイサービス責任者の一言でした。

その朝 デイサービスの送迎車が来たとき、

お母様は箒を持ったまま玄関先に座り込んでいたそうです。(Aさんは出勤していて不在)

デイサービス責任者からAさんの仕事場に、

「血圧が高いから迎えに来てください。病院へ行ってください。」という電話が入りました。

Aさんはすぐに迎えに行き 自宅近くの病院を受診しましたが「異常なし」ということで帰宅。

夜になって 仕事から帰ってきた孫が「おばあちゃんの様子がいつもと違う」と気づき救急搬送。

診断は脳梗塞でした。

「もっと早く対応できたのでは?」 と言われたそうです。

Aさんは 「異常なし」という医者の言葉で安心しきっていた自分を責めていました。

 

後日 入院先を見舞った責任者が「すみません」と謝るのを不思議に思ったAさんは、

「なぜあなたが謝るのですか?」 と尋ねたそうです。

返ってきたのは・・・「あなたが良い人でよかったです。」

Aさんは ますます・・・???

ほんとうなら玄関先で発見した送迎スタッフが救急車を呼ぶべきだった というのが説明で、

デイサービスの対応を責めないAさん=良い人・・・ということだったそうです。

 

Aさんは 「母の見舞いじゃなくて、探りに来たんだな」 と思ったそうです。

送迎スタッフを悪者にしている態度にAさんが不信感を抱き、

いっそう傷つくのも無理はありません。

 

いつ誰がどうすべきだったか・・・事業所として振り返ることは必要なのでしょうが、

この人の態度は自己保身ととられてもしかたない。

百歩譲って正直な人だったとしても 鈍感だと言わざるを得ません。

『専門職』の鈍感さは人を傷つける 改めて思いました。